| ■ 爪とぎ |
爪とぎは縄張りマーキングの1つです。爪とぎは視覚的な縄張りの「しるし」と、肉球から分泌されるフェロモンによる縄張りの「しるし」の両方を残します。
爪とぎは縄張り行動に関連して猫が行うコミュニケーション手段の1つです。このため、猫はこの行動の対象として、通常よく目立つ垂直な場所を選択します。しかし、爪とぎが完全に定着してしまっている場合(期間として6ヶ月間〜数年間)には、水平面をも引っかき、さらに引き裂き始めることがあります。例えば遊んでいる時、発清時、獲物を逃がしてしまった直後などにみられる水平面を引っかく行動は、「問題のある爪とぎ」から除外されます。 |
爪とぎは次に挙げられる一連の行動として現れ、飼い主なら恐らくこの行動パターンを目撃したことがあるでしょう。
<一連の爪とぎ行動>
●よく目立った、通常は垂直な面に猫が近づいていく。
●爪とぎをしようとする面に近づき、においを嗅ぎ、
●「ブレーメン」(ぽかんと口を開けた)反応を示す。
●四肢と背中を伸ばす(背中を伸ばした姿勢)。
●両方の前足で交互に表面を引っかく。 |
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■爪とぎの意義と現在の見解
爪どきの主な働きは、爪をといだり古い爪を抜いたりすることだと言われてきましたが、一部の猫では、この行動の頻度が明らかに爪の生え替わり周期に一致していません。また抜爪してもペットの飼い主にとっては物が爪で引き裂かれるという爪どきの煩わしい点は解消されますが、爪とぎの格好ははしばしば続きます。
ほとんどの研究者は、爪とぎの主な機能はさまざまな「しるし」を組み合わせることによるコミュニケーションの方法であると考えています。これらの「しるし」(視覚的なもの、フェロモンによるものの両方)を残すことが猫がまた爪とぎした同じ場所に戻ってくるきっかけとなります。猫はとりわけ爪とぎによって自分の縄張りを判別しています。 |
■研究によって爪とぎをする猫は2つのタイプら分けられることが明らかになりました。
《タイプ1》
爪とぎが自然な縄張り行動であるケース(長期間にわたる爪とぎ)。爪とぎ場所が飼い主にとって不都合である場合には、近くに適当な爪をとぐ器具を置く事によって、その場所への爪とぎをやめさせることができます。
《タイプ2》
爪とぎが特定時期の情緒不安定の結果として起こっているケース(最近始まった爪とぎ)。この種の爪とぎは猫の本来の欲求によるものではないため、やめさせることが可能です。
| タイプ |
誘因 |
場所 |
タイプ1
本来の縄張り行動として爪とぎをしている猫 |
早期の母猫との離別 |
●プライベートな場所
●排泄する場所
●狩りをする場所の近く |
タイプ2
情緒不安定の結果として爪とぎをしている猫 |
広すぎて落ち着けない
通行者が多い(繰り返される縄張りの侵害)
プライベートな場所がない
(猫の頭数が多すぎる) |
●縄張り上重要でよく目立つ場所(ソファーの角、出入り口など) |
最初は爪とぎ行動を起こしていなかった猫でも、特に情緒不安定を引き起こす以下のような状況で爪とぎが起こりがちです(タイプ2)。
・広すぎて落ち着けない場所にいることを猫が認識した場合
・通行が多い場所、あるいはその猫にとって重要な場所で縄張りが
繰り返し侵害される場合
・その領域にいる猫の頭数が多すぎる場合
このような場合の爪とぎ場所は縄張り領域とは無関係ですが、それでも必ずソファーの角や出入り口などのよく目立った場所に爪とぎをします。
爪とぎの場所
猫が他の個体(猫・人間)の存在にがまんできないような縄張り領域の近くに主として爪とぎをし、特に次のような場所で爪とぎを行います。
・プライベート領域の近く(休息場所や避難場所)
・排泄する場所の近く(トイレ)
・狩りをする場所の近く
室内で飼われている猫にとっては、捕獲遊びをする場所(飼い主や客の足、その他の物)や食事をする場所(食器)が狩りをする場所にあたります。
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